HPを作ろうと思って、何社かに見積りを頼んだことがある方は多いと思います。同じようなページ数で、同じ要望を伝えたはずなのに、金額が倍以上違う。安いほうに頼んでいいのか、高いほうには理由があるのか。判断の材料がないまま、なんとなく真ん中を選ぶ。そんな場面をよく見てきました。
私はHP制作を請ける側として、見積りを出す立場にいます。なので今日は、見積りを作る側から見た「金額差がどこから生まれるか」を書きます。
先に結論を書きます。金額の差を生むのは、ページ数ではありません。構成を誰が決めるかと、公開後の運用を誰が回すかの2つです。そして後者は、AIの登場で答えが変わり始めています。
見積書の項目はどの会社もほぼ同じ
3社から見積りを取ると、項目名は意外と揃っています。
- ディレクション
- デザイン
- コーディング
- 公開作業
並びはほぼ同じなので、項目ごとに金額を比べたくなります。ただ、それではあまり意味がありません。同じ「ディレクション」でも、中でやっている仕事の範囲が会社ごとにまったく違うからです。
構成を誰が決めるかで工数が変わる
HPを作るとき、最初に決めるのは「何ページ作るか」ではありません。「誰に、何を、どの順番で伝えるか」です。これを構成と呼びます。
発注する側が、すでに構成を持っている場合があります。
- どのページに何を書くか決まっている
- 欲しい形のイメージがある
- 原稿や写真がある程度そろっている
この場合、制作会社の仕事は「決まったものを形にする」ことが中心です。金額は比較的低く出ます。
反対に、構成から一緒に考える場合があります。
- 自社の強みをまだ言葉にできていない
- 競合と何が違うのか整理できていない
- 誰に向けたページなのか決まっていない
この場合、ヒアリングと構成案の作成、すり合わせの打ち合わせが発生します。見積書には「ディレクション費」としか書かれませんが、実際には一番時間のかかる工程です。
3社の金額が倍以上違うとき、多くはこの前提の違いです。安い会社は「構成はお客さまが決める」前提で、高い会社は「構成から一緒に考える」前提で金額を出しています。
本当の差は公開した後に出る
もう1つの差は、公開した後の話です。そして私は、こちらのほうがずっと大事だと考えています。
HPは、公開しただけでは問い合わせは増えません。公開してから、次の作業がずっと続きます。
- アクセスの数字を見る
- どのページで読むのをやめているか確かめる
- 文章や導線を直す
- 新しいお知らせや実績を足す
この運用が見積りに入っていない会社は、初期費用が安く見えます。ただし、公開後に直したいところが出るたびに、別の見積りが必要になります。運用まで含めている会社は、初期費用が高く見えます。その代わり、公開後の費用がすでに入っています。
ここで考えておきたいのは、公開後の運用を誰が回すのかです。
運用を外に頼み続ける時代は変わり始めている
これまでの選択肢は、大きく2つでした。
- 制作会社に保守と更新を頼む
- コンサルタントやマーケターに毎月の分析と改善を頼む
どちらも、外の人に毎月お金を払い続ける形です。社内に詳しい人がいない以上、それが当たり前でした。
今は、3つ目の選択肢があります。社内の人が、AIを使って運用を回すという形です。
AIを使えば、アクセスの数字の読み解きや、次に何を直すかの相談を、社内でできるようになりました。毎月の数字をまとめて要点を出す。直すページの文章案を作る。新しい記事の下書きを作る。これまで外の専門家に頼んでいた仕事の多くを、社内の担当者がAIと一緒に進められます。
社内で回せるようになれば、毎月の外注費をかけ続けなくても、HPを育てていけます。そして、同じ手順で回す仕組みは、担当者が替わっても残る会社の資産になります。
難しいのは最初の仕組みづくりだけ
ただし、AIを入れればすぐに回るわけではありません。難しいのは最初です。
- どの数字を、どの順番で見るのか
- AIに何を渡して、何を返してもらうのか
- 返ってきた答えを、誰がどう判断するのか
ここを決めずにAIを使い始めると、毎回聞き方がばらばらになり、使われないまま終わることが多いです。反対に、最初にこの手順を決めて、社内専用の道具として形にしておけば、あとは決まった手順を回すだけになります。一番手間のかかる最初の一回さえ越えれば、あとはずっと楽になります。
私が一番得意としているのが、この最初の仕組みづくりです。HPを作るところから、AIで運用を自動化する道具を作り、社内の方が少ない手間で回せる状態にするところまでを、一緒に進めています。作って渡して終わりではなく、社内で回るようになるまで隣で伴走します。
見積りを比べるときに聞くとよいこと
金額だけを並べるのではなく、次のことを3社に同じ言葉で聞いてみてください。前提がそろうと、金額の差の理由が見えてきます。
- 構成を考えるのはどちらですか
- 打ち合わせは何回を想定していますか
- 公開後の修正は見積りに含まれますか
- 公開後の運用は、誰がどこまで担当しますか
- いずれ社内で運用を回せるようにする支援はありますか
最後の2つは、多くの見積書にはまだ書かれていない項目です。ここへの答え方で、公開した後の数年間の付き合い方が見えてきます。
まとめ
- 見積りの項目名は同じでも、中身の範囲は会社ごとに違います
- 初期費用の差は、構成を誰が決めるかで生まれます
- 本当の差は公開後に出ます。運用を誰が回すかを確認してください
- AIを使えば、運用を社内で回し、毎月の外注費に頼らずにHPを育てられます
- 難しいのは最初の仕組みづくりだけで、一度できれば会社の資産として残ります
HPを作るところから、AIで運用を回す仕組みを社内に持つところまで、一緒に進めるのが私の仕事です。いまのHPや見積りを一緒に見るところから始められます。進め方はサービスのページにまとめていますので、ご検討の材料にしていただけたらうれしいです。