結論から言います。制作の外注で揉めるのは「修正の回数」と「確認の期限」です。金額と納期は誰でも確認するので、こじれる種になりません。発注の前に、次の4つを一緒に決めていきましょう。
- 修正の回数
- 「1回」の数え方
- 確認の期限と、過ぎたときの扱い
- 素材の支給期限
私は受注する側です。この4つは、私が実際に契約書へ入れている項目です。発注する側から使える形に置き換えて書きます。相手によって事情は違うので、そのまま当てはまらないところは声をかけてください。
決めておく4つ
1. 修正の回数
私の標準は**「1つの制作物につき2回まで」**です。1回目で方向性、2回目で細部を詰めます。3回目からは修正ではなく要件の変更なので、追加費用の話として正面から相談します。
「案件につき2回」にはしません。バナー10本の案件だと、何が2回なのか数えられなくなるからです。
2. 「1回」の数え方
同じタイミングでまとめて届いた指摘を、1回と数えます。月曜に3点、火曜に2点と分けて届くと、作業は3回ぶんでも、送った側は「1回」のつもりです。この差が後半の空気を悪くします。決めることは1つだけです。私は「お気づきの点は1通にまとめてお送りください」とお願いしています。
3. 確認の期限
私は**「ご確認は5営業日以内。過ぎた場合は承認とみなす」**という条項を入れています。確認が2週間止まると、受注側は次の案件に移っていて、すぐには戻れません。納期だけが後ろにずれます。期限の前に1回リマインドを入れる運用とセットです。
4. 素材の支給期限
ロゴ・写真・商品情報の支給日で、着手日は動きます。私は「素材のご支給から◯営業日で納品」と書くようにしています。こう書いておくと、支給が遅れたときの納期の相談が、感情の問題になりません。
「修正無制限」がお得にならない理由
修正が何回来るか分からない仕事は、多めに見積もるしかありません。私が「無制限」で受けるなら、10回直しても赤字にならない金額を最初に乗せます。無制限の安心料は、見積りに最初から入っています。
もう1つあります。「あとで直せる」と分かっていると、社内で意見を集める段階が甘くなります。5回目の修正で初めて役員の意見が出て、構成からやり直しになる。失うのは発注側の時間です。
それでも無制限が向いているケース
無制限がいつも損というわけではありません。私も回数を切っていない仕事があります。月額の継続契約です。
1本ごとに精算しない契約では、直すこと自体が仕事の範囲に入ります。バナーを配信して、数字を見て、翌週に差し替える。この動き方だと「今のは修正の何回目か」を数える意味がありません。数えるほうが手間です。
向いているのは、次のような場合です。
- 作るものが毎月続く(広告クリエイティブ、SNSの投稿物、更新の多いページ)
- 作ってみて反応を見ないと正解が決まらない
- 1本あたりの単価より、月にどれだけ回せるかで判断したい
逆に、単発の制作で無制限を求めるのは損になりやすいです。同じ「たくさん直したい」なら、無制限の単発より継続の形にしたほうが、総額は下がります。
発注前チェックリスト
見積りをもらう前に、よければそのまま使ってください。
- □ 修正の回数と、「1回」の数え方を確認した
- □ こちらの確認が遅れた場合、納期がどうなるか確認した
- □ 素材を、いつまでに何を渡せばいいか確認した
- □ どこから追加費用になるか確認した
- □ 納品後の修正対応を確認した
全部に即答できる相手なら、進行の設計ができています。「うちは無制限なので大丈夫です」の即答だけは、上に書いた理由をもう一歩聞いてみてください。私でよければ、見積りを見ながら一緒に見ます。
まとめ
修正は1つの制作物につき2回までで合意する
1回目で方向性、2回目で細部を詰めます。3回目からは修正ではなく要件の変更として扱い、追加費用の相談をします。「案件につき2回」にすると、バナー10本の案件で何が2回なのか数えられなくなります。
「1回」は、同じタイミングで届いた指摘のまとまりで数える
月曜に3点、火曜に2点と分けて届くと、作業は3回ぶんでも送った側は1回のつもりです。決めることは1つで、お気づきの点は1通にまとめてお送りいただく形にしています。
確認の期限を決めて、過ぎたら承認とみなす
私の契約では5営業日以内です。確認が2週間止まると受注側は次の案件に移っていて、すぐには戻れません。期限の前に1回リマインドを入れる運用とセットにします。
「修正無制限」は安心料が見積りに乗っている
回数が読めない仕事は、多めに見積もるしかありません。私が無制限で受けるなら、10回直しても赤字にならない金額を最初に乗せます。単発の発注で無制限を選ぶ理由は、ほとんどありません。
無制限が向くのは、月額の継続契約で作り続ける場合だけ
私も月額の契約では回数を切っていません。1本ごとの精算ではないので、直すこと自体が仕事の範囲に入るからです。単発で無制限を求めるより、継続の形にしたほうが総額は下がります。
私の進め方の全体はサービスの詳細に書いています。判断に迷うところがあれば、その場で一緒に考えます。